★洗剤?洗浄剤?界面活性剤とは?

今回は洗剤のお話しです。以前個人のお客様宅のキッチンのクリーニングの際にこんなことを聞かれました。

「食器用洗剤はほとんど中性みたいだけど油汚れってアルカリがいいんじゃないの?それに界面活性剤とかってのも聞いたことあるんだけど結局何なんですか?」

そもそも洗剤と洗浄剤ってどっちも聞いたことあると思いますが、違いがあるのはご存じでしょうか?ざっくり言いますと以下の違いがあります。

洗剤・・・主に界面活性剤の力で汚れを落とすもの(中性)
洗浄剤・・・アルカリや酸の力で汚れを落とすもの(アルカリ性、酸性)

下の写真は食器用洗剤と油汚れ用洗剤(正式には洗浄剤)です。


食器用洗剤(joyやキュキュットなど)は中性洗剤が多く界面活性剤で落としているんです。
食器以外の酷い汚れ(コンロやシンクの油や水垢など)には界面活性剤だけでは弱く、アルカリ性や酸性の力が必要になってくるのです。

逆に食器などはあまり強いアルカリ性で洗うのは避けた方がいいと思います。アルカリ度が強くなればなるほど効き目はいいですが使い方を間違うと体にも素材にもよくありません・・・食器の汚れ程度なら中性洗剤で十分です。

写真の2つはどちらも界面活性剤の記載がありますが、濃度が違うんです。

では、界面活性剤とは何でしょうか?

界面活性剤の構造は1つの分子の中に、親水性(水になじみやすい部分)と親油性(油になじみやすい部分)の2つの部分が存在します。この構造が普段混ざりにくい(分離しやすい)水と油を混ぜることが出来ます。

汚れを落とす仕組み(水と油を混ぜる)として、「浸透作用」「乳化作用」「分散作用」の3つに分けられますがこの作用が総合的に働き汚れを落とします。

また界面活性剤は泡立ちをよくし、少しでも長く汚れに留まらせる作用もあります。アルカリ性洗浄剤や酸性洗浄剤にも界面活性剤が含まれているものが多数存在するのはこのためでもあります。

でも界面活性剤(種類にもよりますが)が入っていると浸透性が悪くなります。業務用洗浄剤の中には一切界面活性剤や増粘剤(粘り気を出す成分)が含まれていないものがあります。特に酸性洗浄剤に多いですね。

強い洗浄剤はそもそも汚れ以外の素材を痛める恐れがあるので長時間浸けて置くことはできません。そのため短時間で汚れの奥まで浸透してくれた方が私たち業者は助かるのです。

普段何気なく見てる洗剤を見た目や売り文句だけで購入してる方はパッケージや容器の裏に必ず成分などが記載されていますので一段階上の洗剤選びを試してみてはいかがでしょうか?