★洗剤の知識(基礎編)

よくご在宅でキッチンや水廻りのクリーニングにお伺いした際、この汚れはどうやって掃除したらいいの?と相談されることがあります。なので今回は洗剤の基礎に関してです。

まず、洗剤は大きく分けて3つの分野に分かれます。それは酸性洗剤、中性洗剤、アルカリ性洗剤です。過去の記事でも書きましたが正確には洗浄剤ですね。

この性質を判断するのにpHという「水素イオン濃度指数」が用いられます。pHは0~14までの数値になります。

その中でpH0~6が酸性、pH7が中性、pH8~14がアルカリ性です。また、0に近いほど酸性度が強く、14に近いほどアルカリ度が強いということになります。

そこでこの3つの性質を持った各洗浄剤の種類別用途が以下です。(家庭用)

【酸性】(サンポール、ナイス、クエン酸など)
・トイレ・・・便器や手洗い台の尿石や水垢
・浴室・・・床、壁、洗面器、鏡などの石鹸カス、水垢
・キッチン・・・シンク、水栓周りの水垢

【アルカリ性】(マジックリン、ウルトラハードクリーナー、重曹など)
・浴室・・・浴槽、床、壁などのヌメリや皮脂汚れ
・キッチン・・・レンジフード、コンロ周りの油汚れやコゲ、シンク周りのヌメリなど

【中性】(ジョイ、キュキュットなどの食器用洗剤、バスマジックリンなど)
・全般に軽い汚れ

また、アルカリ性の中には漂白系洗剤が含まれます。カビに対しては漂白系洗剤を使います。
漂白系洗剤は酸素系漂白剤、塩素系漂白剤が主ですがここで使用上の注意点があります。よくボトルなどに「まぜるな危険!!」という表記を見たことがあると思います。これは塩素系漂白剤と酸性洗剤のことです。この2つを同時に使うと塩素ガスが発生するので必ず避けましょう。

では、家庭用と業務用の違いとは?
違いは濃度いわゆる強さです。言い変えるとpHの低さ(酸性)、高さ(アルカリ性)です。家庭用は安全に使えるように低くなっており、弱酸性や弱アルカリ性と記載されているものが多いです。スプレー系は買ってすぐそのまま使えるためでもあります。逆に業務用はボトルやケースで売られていることが多く、濃度が濃いので用途に合わせて希釈する必要があります。場合によっては原液で使うこともありますがごく稀です。

最近では一般の方でも業務用が通販で簡単に手に入る時代(ほんとに強い洗浄剤は一般の方には販売しないお店もあります)ですが、日頃のお掃除で業務用を使う必要はありません。ただ、汚れを放置すると家庭用では歯が立たないってことに陥る場合もあるので日々のお掃除が大事ですね。

ただ業者側から言っても強い洗浄剤を使えばいいってことではないと思ってます。当社は時には中性洗剤や家庭用洗剤を使うこともあります。適材適所に合った道具と合わせれば結構いけるもんです。でも汚れが酷かったり、固着していたりするとさすがに厳しいので強い洗浄剤を選んだりします。

じゃあ業者ってどこまで違うの?って思いませんか?当社目線にはなりますが次回お応えしたいと思います。