★洗剤の知識(追求編)
前回の続きでもう少し詳しくご紹介します。
賃貸や分譲建物の空室クリーニングやエアコン内部洗浄などは解りやすいと思いますが、法人様個人様問わず、ご在宅などでわざわざ家の掃除を業者に頼む必要は何なのか?そんなに違うの?という疑問がある方も少なくないでしょう。
洗浄剤には、酸性、中性、アルカリ性、漂白系があるのは前回書きましたが、それぞれまた違った成分の入った洗浄剤に分かれます。
そこで汚れ具合や汚れの種類、場所、素材によって例えば同じ酸性洗浄剤でも違うタイプを選び、効率よく的確にアプローチするのがプロの業者だと思います。掃除は力を入れたら負けです。
ただ全業者が必ずそうとは言い切れず、業者によっては一般の延長程度や力任せに落とそうとしたりする業者もいると聞いたことがあるので当社はという意味合いです。
まず一般の方との違いは色んなタイプの汚れを経験してるからこその、アプローチの仕方です。間違った洗剤や道具でやっても時間がかかるだけ、落ちる汚れも落ちない、力任せにやると素材を痛めたり、ただただ疲れるだけということに陥り、清掃時間も大幅に延び、時間をかけた割には納得がいかないなんてことも・・・
掃除というのは洗剤だけでなく道具や使い方によってもかなり変わるのですが今回は洗剤に絞ってご紹介したいと思います。
ではお部屋の中でも長年の汚れが蓄積された場合、結構大変な場所である浴室を例にしてみます。
過去の事例でも触れましたが、浴室は複合汚れのエリアです。とてもじゃないですが1種類の洗浄剤では無理ですね。
皮脂汚れやヌメリはアルカリ性、石鹸カスや水垢は酸性、カビは漂白剤(主に塩素系)を使う必要があります。
【アルカリ性】の中では強さもありますが、泡立つタイプ、泡立たないタイプとかあります。成分は水酸化ナトリウムや苛性ソーダなどが含まれているものが多く、アルカリに関しては成分によって違いはそんなに変わらないかなと思います。
【酸性】の中では塩酸、硝酸、リン酸、クエン酸、スルファミン酸、酸性フッ化アンモニウムなど他にも多数あります。特に酸性フッ化アンモニウムは固着した鏡のウロコ、シリカスケールと呼ばれる固い水垢、色の濃い壁やカウンターなどに乾くと白くモヤっと現れるゴースト汚れなど、他の酸性成分ではなかなか落ちない汚れに唯一反応してくれる成分です。
ただ、配合が一定の量を超えると医薬用外劇物になり(譲渡書の返送や販売側は販売許可証などが必要)、たとえ少量配合で劇物扱いでなくても一般の方には販売しない会社が殆どです。もちろん市販はされていません。塩酸や硝酸も一定量超えると医薬用外劇物になります。(業務用の尿石除去剤やトイレ用洗浄剤など)
【塩素系漂白剤】は家庭用より次亜塩素酸ナトリウム(ソーダ)の有効濃度が高くキッチンハイターの12倍などがあります。あとはジェルタイプや泡タイプなどがあったりしますかね。
下記は実際に使用している洗浄剤です。(全部上げると大変なので抜粋しており、企業秘密のため一部ぼかしあります。)
順にアルカリ性、酸性、酸性、塩素系漂白剤です。
こういった色んな種類の洗浄剤を試し、今まで落とせなかった汚れに対してすぐに諦めるのではなくアプローチしてみるのがプロの掃除屋だと当社は考えています。それに濃度が強ければそれだけ素材にも影響が出るので使い方を間違えると大変なことにもなりかねません。知識と経験も必要になってくると思います。
ただ最後にはなりますが、素材自体の劣化や腐食、変色、材質上現状より悪くなるといった場合は掃除ではどうにもすることが出来ません。またアプローチした結果落ちないこともあります。そのような時は修理や交換をお勧めする場合があります。